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未婚ママになることを選んだ私。これが私の生きる道。


by satoko0404

未婚でも生ませるアメリカ、生ませない日本

ネットサーフィンをしていて面白い論文を見つけました。

Making sense of alternatives to out-of-wedlock childbearing
U.S.-Japan comparison

婚前妊娠をした場合にどのような選択をするか。
未婚のまま生むか、結婚をして生むか、諦めて中絶するか。
日本とアメリカのケースを比較した論文です。

自分がこういう立場に置かれるまで、
婚前妊娠や未婚母・婚外子に対する考え方の違いについてなんて
興味もなかったし考えたこともなかったけど、
国によって考え方がずいぶん違うんだなあということを知りました。


結婚してないのに妊娠した! そんなときどうする?

この論文によると、婚前妊娠する割合は日本でもアメリカでも同じように増えており、
その傾向に両国間での大きな違いは見られません。

しかし、婚前妊娠した人が結婚をして出産をするか未婚のまま出産するかには
明確な違いがあります。

アメリカでは未婚のまま出産するケースが年々増加しているのに対し、
日本では結婚してから出産する割合が依然圧倒的なのです。
※婚前妊娠者がデキ婚して出産する割合:アメリカ23%(1990-94)、日本90%(2000-05)

日本ではデキ婚(shotgun marriage)の割合が年々増えているのだそうです。


「日本では、子どもにとって父親の存在は母親の存在と同様に重要であり、
生物学上の父親の質(father qualities)よりも、その存在そのものに重きを置く。
よって、婚前妊娠した場合、結婚することで解決しようとするのが一般的である」

うーん、確かにそうかも。
私も妊娠したと分かったときは"結婚するのが一番!"って真っ先に思ったもんw

「これに対しアメリカでは、妊娠したことですぐに結婚しよう、とは考えない。
妊娠は、相手はこの先も関係を維持していくべき相手なのか、結婚すべき相手なのか
見つめなおす良い機会(opportunity)として捉えられている。
すぐに結婚するのではなく、この先相手との関係をどうすべきかをじっくり考えるのである」


日本では、結婚して妊娠して出産する、っていうのが理想的な順序で、
子どもは両親揃った環境に生まれるのが当然(essential)と考えられていますが、
アメリカでは妊娠と結婚とを少し分けて考える傾向があるようです。



予期せぬ妊娠に対する日米間の考え方の違い

「女性が予期せぬ妊娠をした場合(ということは婚前妊娠に限らない?)、
その女性はどうすべきだと思いますか?」
という問いに対する回答を日米間で比較した表も掲載されていました。


①いかなる理由があっても生むべきだ
 日本:男性15.2%、女性12.2%  アメリカ:男性29.9%、女性29.0%

②母体の健康を著しく害する恐れがある場合、中絶も認めるべきだ
 日本:男性30.5%、女性34.4%  アメリカ:男性25.2%、女性:24.8%

③経済的に養育が困難な場合、中絶も認めるべきだ
 日本:男性29.1%、女性36.6%  アメリカ:男性7.4%、女性5.1%

④女性の持つ権利として中絶も認めるべきだ
 日本:男性19.2%、女性13.7%  アメリカ:男性30.1%、女性35.0%


①の「いかなる理由があっても生むべきだ」と考える人の割合が
アメリカの方が高いのはなんとなく分かる気がしますが、
経済的理由による中絶へのアメリカ人の賛同の少なさには驚きました。

そして、アメリカでは中絶は女性の権利として存在するべき、
と考えられているんですね。


結局のところ中絶というのは日本の場合、
経済的な理由で選択されているケースが多いように思うので、
この点での考え方の違いは
未婚で出産する割合に大きく影響しているように感じます。



生ませるアメリカ、生ませない日本

この論文には、両国の未婚母へのインタビュー結果もいくつか掲載されており、
最後の方にこんなケースが紹介されていました。

あるアメリカ人女性が未婚で妊娠し、ボーイフレンドから中絶を要求されます。
しかし彼女のおばあちゃんは彼女に
「赤ちゃんを生むチャンスはもうないかもしれないからenjoyしなきゃ!」
と彼女の生みたい気持ちを後押し。
ボーイフレンドのお母さんも息子に対し、
「あなたが彼女に中絶を要求する権利はない」
とたしなめた、というものです。

このケースに現されているように、アメリカでは未婚で妊娠したときに、
(そして結婚という選択をしなかったときに)
周囲が出産へと後押しすることが多々あるようです。

これに対し日本では、
「堕ろしたほうがいいんじゃない?」「一人で育てるのは大変だよ」「出産は認めない!」
と中絶へと後押しするケースが圧倒的に多い。


この論文では、未婚の女性が妊娠した場合(そして結婚をしない場合)、
アメリカ人にとっては出産が選択しやすい選択肢であり、
日本人にとっては中絶が選択しやすい選択肢である、
というようなことが結論づけられていました。



未婚ママって日本ではまだまだ少数派かもしれないけど、
広く世界に目を向ければそうでもないのかもしれない。
婚外子の割合が半数を超えるとも言われるフランスやスウェーデンになると、
もっと考え方は違うのかもしれません。

日本でも働く女性が増え、未婚化・晩婚化が進んでいると言われます。
だからといって、別に恋をしなくなったってわけじゃないと思うんだよね。
その証拠に婚前妊娠やデキ婚も増えてるわけだし。

結婚にはリミットはないけど、妊娠・出産にはリミットがある。
現に私のまわりにも、こんな私の境遇さえをもうらやむ独身の友人が
たくさんいたりするのです。
子ども欲しい!って思ってる女性は多いんですよね。

晩婚化は進むわ未婚での出産は許さないわだと、
デキ婚や中絶は増える一方なんじゃ?と思ったりしなくもありません。

私のパートナーが認知を拒否していることだって、
彼が自分の子どもであることを認めたうえで拒否してることを考えると、
要は婚外子がいるということへの世間体を気にしてのことなんだと思う。

そういう意味では、日本社会の結婚や出産、戸籍に対する考え方のために、
彼も本心とは裏腹なことを言わざるを得なくなってるのかもしれません。


私には何が正しくて何が正しくないかなんてまだまだ分からないし、
一生分からないかもしれないけど、
私は未婚でも出産するという自分の望む選択肢を選ばせてもらえたわけで、
それは何より幸せなことだと感じています。

アメリカ人の「女性の権利として認めるべき」じゃないけど、
妊娠・出産は自分のその後の人生に大きく関わる出来事なので、
変に周囲からプレッシャーをかけられることなく
本人の意思が尊重されるのが理想的なのかなと思う今日この頃です。



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by satoko0404 | 2010-04-10 00:58 | 妊娠中のこと